ポール・オースターのエッセイ集 「トゥルー・ストーリーズ」
このところポール・オースターの小説を読まない日はない。
「ガラスの街」を読んだのが最初で、「幽霊たち」、「鍵のかかった部屋」、「リヴァイアサン」などなど前世紀からのファンで、「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」2冊も身近に置いてある。
訳はどれも柴田元幸氏。
今回は、「偶然の音楽」をストリーの面白さにも魅かれて読み終わり、「幻影の書」にかかったのだけれど、失踪した俳優のへクター・マンとそれを追う「私」のすばらしく豊かで込み入った日常の重厚さに圧倒されてちょっとポーズ。立ち止まっては何か調べ、想像を喚起し…という時間になる。
なので今日は、エッセイ集「トゥルー・ストーリーズ」 をひらいた。
9.11直後のニューヨークが舞台の「覚え書き」はほんの数ページだけれども、私もちょうどあの年の8月末に渡米したばかりの姪から、事件のあと、「こげくさい臭いがしてる」というメールをもらったりした。初めてNYを訪ねたのは翌年の8月だけれど、オースターの、「瓦礫には人間の手や足が混じっていた、と…」という一行は当時を思い出させる。
「ティンブクトゥ」は〝「犬の視点」を通してアメリカのホームレスを描い た作品〟だそうだが、犬よりも猫の私は読む機会がないかもしれない。
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